私が教えていた日本語学校でも、教科書が最新の物ではなかったり、副教材が不足していたりして、結局はインターネットでイラストを探して、副教材を作って…といったような作業がとても多かったのを覚えています。
日本語教師なり立てのころは教案を書くだけでも大変なのに、授業を成立するためのイラスト探しにも手を焼いていました。
私の場合はプライベートレッスンの生徒もいたので、漢字の読めない生徒用の平仮名だけの教材や、子ども用のイラストが多く入った教材など、たくさんの教材を手作りしてきました。
また、海外なので日本にいる留学生と違って、趣味で日本語を勉強したり、習い事の一つとして日本語を勉強している人が多く、「楽しく学習」ができるようなレッスンをすることが目標になり、それが現在の語彙シートやカード、すごろく、ビンゴなどの遊びを作るきっかけになりました。
日本では直接法が主流だと思いますが、海外だと直説法と間接法(媒介語は学習者の母語)をミックスして教えている人もよく見ました。
私も、授業内の教師の言葉は日本語で、複雑な文法解説やニュアンスを説明するときは媒介語で、といったような感じで教えていました。
特に初級の学生は、まだ使える日本語が少ないので、教師も分かる日本語だけで説明するのが難しいときがありますよね。日本でのグループレッスンでは学習者の背景が様々なので難しいとは思いますが、プライベートレッスンなどでは、簡単な解説ぐらいは英語でやってあげると喜ばれると思います。
ただ、語彙や文法に関しては日本語から媒介語に直訳、というのは難しいときもありますので、なるべくイラストを使って教えて、日本語で理解してもらうという方法をとっています。
今回は私が海外で日本語教師をしていた時に感じた3つのことを紹介しました。海外で働くのは大変なこともありますが、その分やりがいもたくさんあります。今回紹介したのはごく一部ですが、海外で働こうか迷われている方は、この記事を参考にしてもう一度考えてみてください。