「普通形」「普通体」の違い

「普通形」「普通体」は初級日本語で勉強した4つの時制の活用の総まとめのようなもので、学習者にとっては非常に難しいと感じるところです。しかし多くの学習者(教師)は普通形/体=友達と話すときに使うものと勘違いしている人が多いと思います。今回はその違いを説明していきます。

2020/11/19

「普通形」「普通体」の違い

ます注意したいのは「普通体」=友達と話すときに使うもの「普通形」=活用形だということです。


ビジネスマンで日本人とカジュアルな話をしない人も(普通体を使わない人も)、活用形である普通形はこれからどんどん使っていくことになります。(というか、普通形ができなかったらこの先の学習に進めません!)


ここで大切なのは「普通体」の反対は「丁寧体」で「~体」というのは文章全体を表します。英語で説明する場合は「普通体=casual-style」「丁寧体=polite-style」ということになります。「普通形」の反対は「丁寧形」で「~形」は活用形のことです。英語では「普通形=plain-form」「desu/masu-form」と私は説明しています。

・英語で普通体=casual style、普通形=plain form 
・「~体」は文章全体、「~形」は活用形を表す。

例文

では実際の例文で見ていきましょう。

丁寧体

A:「コーヒーと紅茶とどちらが好きですか」
B:「私はコーヒーのほうが好きです。毎日飲んでいます。」

普通体

A:「コーヒーと紅茶とどっちが好き?」
B:「俺はコーヒーのほうが好き。毎日飲んでる(よ)。」

丁寧形

「食べます」「食べません」「食べました」「食べませんでした」

「暑いです」「暑くないです」「暑かったです」「暑くなかったです」

「好きです」「好きじゃないです」「好きでした」「好きじゃありませんでした」

「雨です」「雨じゃないです」「雨でした」「雨じゃありませんでした」

普通形

「食べる」「食べない」「食べた」「食べなかった」

「暑い」「暑くない」「暑かった」「暑くなかった」

「好きだ」「好きじゃない」「好きだった」「好きじゃなかった」

「雨だ」「雨じゃない」「雨だった」「雨じゃなかった」

丁寧体

私は母にあげるかばんを買いに行きます

   【普通形】        【丁寧形】

普通体

私は母にあげるかばんを買いに行く(よ)。

   【普通形】      【普通形】

丁寧体・普通体を使う場面

丁寧体

・上の人と話すとき(先生や会社の上司、アルバイト先の先輩など)
・初めて会った人と話すとき
・手紙など書きことば 

普通体

・親しい友人や家族と話すとき
・親しい友人や家族とのメールやライン 

普通形を学習するときに気をつける語

あります
ある
ない
あった
なかった
いいです
いい
よくない
よかった
よくなかった
できます
できる
できない
できた
できなかった
来ます
くる
こない
きた
こなかった
します
する
しない
した
しなかった
たいです
たい
たくない
たかった
たくなかった

まとめ

「普通形」と「普通体」言葉は似ているけど、実際は違うものです。
ビジネスの現場でしか日本語を使わないという人も、「普通体」は使わなくても、「普通形」は必ず使うことになります!

この違いをきちんと説明したうえで、普通形を教えると学習者のやる気アップにもつながると思うので、普通形に入る前に必ず「普通体」と「普通形」の違い、これから普通形はどんな風に使っていくのか少し説明してあげるといいと思います。   


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